近年注目されている菜食主義のフレキシタリアン。
実は、フレキシタリアンはダイエット効果にも期待できる食事法です。
実際に、欧米諸国をはじめ、世界中でフレキシタリアンダイエットに取り組んでいる人は増加しています。
そこで今回は、今注目のフレキシタリアンダイエットについて解説していきます。
フレキシタリアンダイエットって何?
実践するメリット・デメリットは?
食べるべきもの・避けるべきものは?
フレキシタリアンダイエットの取り組み方は?
このような皆さんの疑問について解説していきます。
Contents
フレキシタリアンダイエットとは
そもそもフレキシタリアンとは
近年日本でも、名前を聞くようになった「フレキシタリアン」。
フレキシタリアンとは、英語のflexible(柔軟)と、vegetarian(菜食主義)を掛け合わせた造語で、柔軟な菜食主義という意味です。
このようなフレキシタリアンは、基本はベジタリアンのような菜食主義でありながら、ときには肉や魚も食べます。
そのため、菜食主義でありながら自由度がとても高く、取り組みやすいです。
そのほかにも、フレキシタリアンは多数のメリットを持ちながら、実践ハードルが低いという特徴があります。
なお、フレキシタリアンと他の菜食主義の違いについては、「準菜食主義【フレキシタリアン】とは?ベジタリアンやヴィーガンとの違いも徹底解説!」に書きました。
フレキシタリアンダイエットの目的は?
フレキシタリアンダイエットの目的は、 加工食品や添加物を減らし、その代わりとしてより多くの果物や野菜、全粒穀物や豆類などの代替肉を食べることです。
つまり、減量は別として、 フレキシタリアンダイエットの一番の目的は健康改善にあります。
研究によると、フレキシタリアンなどの菜食主義の食事は、健康状態を改善するのに役立つとされています。
実際に、フレキシタリアンダイエットは以下のような健康リスクの低減に役立ちます。
- 心臓病
- 脳卒中
- 高血圧
- 2型糖尿病
- ガン
このように、フレキシタリアンダイエットは健康改善に大きな効果があるのです。
肉や魚の摂取量を減らし多種多様な植物性食品を食べることは、病気の発生をおさえ、結果として長生きすることが示唆されているのです。
また、フレキシタリアンダイエットにはダイエット効果(減量)もあります。
理由としては、「果物や野菜などの植物性食品は、一般的にカロリーが低いから」ということが挙げられます。
そして、フレキシタリアンなどの菜食主義者は肉食に比べて体重が少なく、肥満度指数が低い傾向があることも研究によって確認されています。(参考)
そのため、フレキシタリアンダイエットは健康的な食生活を送りながら、体重を落としていくことができます。
必ずしも体重が減るとはされていませんが、健康的な食生活を送ることで、余分な脂肪を減らすことができ、結果として体重が減ります。
フレキシタリアンダイエットが注目されている理由
フレキシタリアンダイエットは、新しい健康的なダイエットとして注目されています。
実際に、アメリカやイギリスなどの欧米諸国では、4人に1人以上がフレキシタリアンである調査データがあります。
ではなぜ、世界中でフレキシタリアンダイエットが浸透しているのでしょう。
そこで、フレキシタリアンダイエットの特徴を以下にまとめました。
- 食品制限がない
- 厳しいカロリー制限がない
- 主要栄養素のガイドラインがない
- 植物性食品と動物性食品を食べる比率がはっきりと決まっていない
このように、フレキシタリアンダイエットは、厳しい食事制限がなく、ゆったりとした特徴があります。
そのため、だれでも簡単に、そして継続的に取り組むことができるのです。
これこそが、フレキシタリアンダイエットが世界で注目されている理由と言えます。
フレキシタリアンダイエットのメリット
では次に、フレキシタリアンダイエットをするメリットを見ていきましょう。
フレキシタリアンダイエットのメリットは大きく分けて5つあります。
- 体脂肪が減る
- 健康改善
- CO2削減につながる
- 人間関係に困らない
- 継続性がある
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
体脂肪が減る
まず、フレキシタリアンダイエットをすることで体脂肪が減ります。
フレキシタリアンになることで、肉や魚といった脂肪が多く含まれている食品の摂取を控えることができます。
その結果、必然と余分な脂肪を摂らなくなり、体脂肪が減るのです。
このように、無駄な脂肪を排除するメリットがあります。
健康改善
フレキシタリアンダイエットは、健康改善にも役立ちます。
健康改善については先ほども解説しましたが、フレキシタリアンは肉食に比べ、心臓病、糖尿病、ガンなどの発生率が低いです。
そして、肉食の相手よりも3~6年長生きするというデータもあります。
これに関しては、果物や野菜などの植物ベースの食品は、一般的に栄養価が高く、カロリーが低いことが理由として挙げられます。
そのため、健康にいい食事になるのです。
このように、フレキシタリアンダイエットはさまざまな健康状態の改善や予防におけるメリットを持っています。
CO2削減につながる
フレキシタリアンダイエットはCO2削減にも貢献します。
実は、温室効果ガスの1/4は食べ物から出ているとされています。
そして、その中でもお肉、つまり畜産業が環境に与える負担が非常に大きいです。
「ウシのゲップが地球温暖化を進めている」や、「畜産業が森林伐採に影響している」などとされています。
そのため、フレキシタリアンダイエットを通して肉を食べる機会を減らすことは、地球温暖化の解決にもつながります。
このように、フレキシタリアンダイエットは環境におけるメリットも持っています。
人間関係に困らない
フレキシタリアンダイエットは人間関係におけるメリットが大きいです。
フレキシタリアンダイエットは他のダイエットと違い、厳しい食事制限がありません。
そのため、パーティーに誘われたときや友達とレストランに行く際に、食べるものやカロリーを気にする必要がありません。
また、ダイエット中だからと言ってせっかくの誘いを断っていたら、良い人間関係は築けないでしょう。
その点、フレキシタリアンダイエットは食べるものや量、全てが柔軟なため、状況に応じた食事をとることができます。
このように、ダイエットに取り組みながら人間関係においてもストレスフリーな生活を送れるメリットがあります。
継続してダイエットに取り組める
フレキシタリアンダイエットは継続しやすいです。
なぜなら、厳しい食事制限がないからです。
ヴィーガンやベジタリアンなどの他の菜食主義では、動物性食品を食べることができないため、バランスの良い食事をすることが難しいです。
また、過度な食事制限を行うダイエットでは、食後の満足感が得られないことも考えられます。
こうした結果、体調を崩してしまったり、ダイエットに挫折してしまったりするのです。
せっかくダイエットに挑戦したのに、諦めてしまうのはもったいないです。
一方で、フレキシタリアンダイエットでは、厳しい食事制限がないため、簡単に始められることができると共に、継続的に取り組むことができます。
このように、無理なく継続的に取り組めることで、その分の効果も実感できるため、よりダイエットを楽しめるといったことも、長続きする理由でしょう。
フレキシタリアンダイエットのデメリット
フレキシタリアンダイエットのデメリットについても確認しておきましょう。
デメリットは主に2つあります。
- 栄養バランスが崩れる危険性
- メリットが得られない可能性
栄養バランスが崩れる危険性
菜食主義は栄養バランスが崩れやすいです。
フレキシタリアンダイエットに関しても、肉や魚をあまり食べない分、通常の食事よりもタンパク質の摂取量は少なくなります。
そこで、肉や魚の代わりとして、豆類や他の植物性食品でタンパク質を摂ることになります。
しかし、植物性食品でタンパク質を確保するのには限界があるのも確かです。
また、菜食主義をはじめたばかりの初心者にとって、植物性食品を使った料理のレパートリーを増やすことは難しく、上手にタンパク質が摂れません。
その結果、貧血や高血圧など、身体に不調が現れる危険性をもっています。
このような栄養バランスが崩れる危険性は、あらゆるダイエット法でも危惧されていますが、フレキシタリアンダイエットにおいても十分に気をつける必要があります。
だからこそ、正しい栄養バランスで、そして自分に合ったペースでフレキシタリアンダイエットに取り組むことが重要です。
なお、菜食主義者におけるタンパク質の正しい摂取方法については「菜食主義者がタンパク質不足にならないためには!?健康・美容のためにタンパク質を正しく摂る方法を徹底解説!」にまとめています。
また、フレキシタリアンにおすすめの植物性タンパク質を多く含む食材に関しては こちら で紹介しています。
メリットが得られない可能性
フレキシタリアンダイエットは柔軟に取り組めるゆえに、正しい取り組み方が確立されていません。
そのため、フレキシタリアンダイエットをしたからといって、健康面やダイエット効果など、あらゆる面においてのメリットを得られるとは限らないのです。
いくら柔軟なダイエットであったとしても、食べる量が普段とそこまで変わらなかったら体重は減りません。
また、肉や魚をいつものように食べていては、いつまでたっても健康状態が改善することはありません。
フレキシタリアンダイエットのメリットを十分に得るためにも、植物性食品の割合を増やしていくことは欠かせないのです。
なお、フレキシタリアンダイエットで効果を得られず悩んでいる方は「【フレキシタリアンダイエットで痩せられない方は必見!】4つの原因と正しい取り組み方をチェック」をどうぞ。
フレキシタリアンダイエットで食べるべきもの
フレキシタリアンダイエットは健康のために推奨されているダイエット法です。
そのため、より健康になるためにも、ただカロリーを抑えるだけではなく、食べるものにも気をつけたいです。
そこで、フレキシタリアンダイエットで食べるべき5つの食品群を紹介します。
肉代替食品
豆、エンドウ豆、豆腐などの植物性タンパク質
果物と野菜
デンプン質を含むものと含まないもの両方
全粒穀物
玄米、オート麦、大麦、キヌア、きび、トウモロコシなど
乳製品
ヨーグルト、牛乳、チーズなど
糖類&香辛料
砂糖、スパイス、ハーブ、甘味料、酢などの風味を与える食材。アボカド、ナッツ、種子、オイルなどの健康的な脂肪
このように、より多くの果物、野菜、全粒穀物、豆、レンズ豆、ナッツ、種子などを代替肉として食べます。
これらには、優れたタンパク質が含まれています。
また、豆類に含まれる水溶性食物繊維は、健康的な食事として高コレステロールを減らす効果があることも、広く受け入れられています。
そのため、これらを定期的に食事に含めることをオススメします。
フレキシタリアンダイエットで避けるべきもの
フレキシタリアンダイエットでは、以下の食べ物は避けるようにしましょう。
加工食品や食品添加物が多く含まれているもの
- ソーセージやベーコンなどの肉加工品
- 冷凍食品
- インスタント食品
- 缶詰食品
- お菓子など
フレキシタリアンダイエットでは、肉や魚などの動物性食品や加工食品、食品添加物を減らすようにしましょう。
これらには、余分な油や脂肪酸、コレステロールなどの身体に悪影響とされるものが多く含まれています。
そのため、植物性食品を食べて健康を改善するためのフレキシタリアンダイエットとは相反する食事になります。
健康のためにも、ダイエット効果を得るためにも、このような栄養価が低い食品は避けるようにしましょう。
さらに、フレキシタリアンダイエットでは以下の言葉に注意してください。
- 揚げ物
- カリカリ
- パン
- クリーミー
- ソテー
これらには必要以上の油や食品添加物が含まれているため、摂取を控えましょう。
その代わりとして
- 焼き
- グリル
- ロースト
- 蒸し
これらの食品を積極的に摂るといいでしょう。
フレキシタリアンダイエットの取り組み方
では実際に、「フレキシタリアンダイエットの取り組み方」について見ていきましょう。
フレキシタリアンダイエットを始めるにおいて、いきなり肉や魚などの動物性食品をまったく食べなくすることは難しいです。
なぜなら、初心者にとって、植物性食品だけで栄養バランスの良い食事をすることは難しいからです。
また、いきなり無理をして菜食主義を極めようとすると、体調を崩す原因にもなります。
だからこそ、フレキシタリアンダイエットは段階的に取り組むことが重要です。
では、ひとつひとつのステップを見ていきましょう。
肉や魚を食べる頻度と量
フレキシタリアンダイエットにおいて肉や魚を食べる量と頻度ははっきりと決まっていません。
そのため、より効果的に、そして継続的に取り組むためにも、段階を踏んでフレキシタリアンダイエットに取り組むようにしましょう。
そこで、以下を1つの目安としてみてください。
第1段階
- 週に2日、肉や魚を食べない
- 残りの5日間で合計730g以下の肉を食べる
第2段階
- 週に3~4日、肉や魚を食べない
- 残りの日数で合計500g以下の肉を食べる
第3段階
- 週に5日、肉や魚を食べない
- 残りの2日で250g以下の肉を食べる
このように、フレキシタリアンダイエットを成功させるためにも、段階的に取り組む必要があります。
グラム数で考えることが難しい方は、別の方法で考えてみましょう。
1日3食としたときに1週間の食事は合計で21回です。
その21回の食事から肉や魚を食べる回数を徐々に減らしていくと良いでしょう。
- 毎週6~8回の肉や魚を食べない食事
- 毎週9~14回の肉や魚を食べない食事
- 毎週15回以上の肉や魚を食べない食事
肉や魚のグラム数を考えて食事をするのは大変と感じると思いますが、このガイドラインは分かりやすいと思います。
参考にしてみてください。
また、「ミートフリーマンデー」や、「豆腐火曜日」といったように、肉や魚を食べない食事をゆっくりと追加していくのもいいでしょう。
自分のペースに合わせて、食事を少しずつ変えていきましょう。
摂取カロリーの目安
フレキシタリアンダイエットには細かいカロリー制限がありません。
しかし、いくら準菜食主義の食事をしたとしても、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ってしまえば、体重は減少しません。
そこで、以下を目安にしてみてください。
朝食:300カロリー
昼食:400カロリー
夕食:500カロリー
軽食:150カロリー
これにより、1日の総カロリーは1350カロリーになります。
しかし、1日の消費カロリーは人それぞれ変わってきます。
そのため、ダイエット効果が得られる範囲内で、活動量や性別、身長、体重に応じて、自分に適したカロリーを摂取しましょう。
そして、自分のペースでフレキシタリアンダイエットに取り組んでみてください。
その結果として、体重は落ちていくはずです。
フレキシタリアンダイエットに関してよくある質問
現在、フレキシタリアンダイエットは、日本でそこまで広まりを見せていません。
そのため、フレキシタリアンダイエットについて分からない点も多いでしょう。
ここからは、そうしたフレキシタリアンダイエットに関してよくある質問に回答していきます。
フレキシタリアンダイエットの食費はどれくらい?
フレキシタリアンダイエットでよく食べる植物性食品は、そこまで高価な食材ではありません。
そして、肉や魚などの動物性食品をそこまで必要としないため、フレキシタリアンダイエットの食費は通常と比べて安くつきます。
そのため、フレキシタリアンダイエットは年間で、かなりのお金を節約できます。
これも、フレキシタリアンダイエットにおける1つのメリットですね。
お酒は飲んでもいいの?
フレキシタリアンダイエットでは、お酒は許可されています。
しかし、過度なアルコールの摂取は避けるべきです。
そこで、1日1杯を目安にお酒を飲むようにしましょう。
また、フレキシタリアンダイエットではアルコールに加えて外食も可能です。
厳しい制限がないため、柔軟にダイエットに取り組めます。
運動はどのくらいするべき?
適度な運動をすることで、より効果的にフレキシタリアンダイエットに取り組むことができます。
そこで、30分程度の運動を週5日行うことを目標としましょう。
しかし、そこまで時間をとれないと感じる方もいると思います。
そのような方は、20分程度の激しい運動を週3日行うようにするといいでしょう。
注意点としては、人によって代謝は違ったり、目指すものが違ったりすることを理解しておきましょう。
そこで、運動に関しても自分に合った量やペースで行う必要があります。
フレキシタリアンダイエットにおける健康上のリスクはある?
フレキシタリアンダイエットによる深刻なリスクや副作用は報告されていません。
ただし、持病があったり健康状態が良くない場合は、フレキシタリアンダイエットを始める前に医師に相談するようにしましょう。
まとめ
フレキシタリアンダイエットについて詳しく見てきました。
フレキシタリアンダイエットは柔軟なダイエット法であるため、誰でも簡単に始められると共に継続的に取り組むことができます。
また、ダイエット以外にも健康改善や環境改善など、メリットが豊富です。
そのため、フレキシタリアンダイエットは今後日本でも、さらに広がりを見せていくでしょう。
是非この機会にフレキシタリアンダイエットに挑戦してみてください。